世界一幸福な国!?ノルウェー人が幸せな理由を徹底解説!

北欧といえば、豊富な資源と生活水準が高いことで知られていますよね。
中でもノルウェーは「世界一幸福な国」と言われ、2017年「世界幸福度報告書」では、一人当たりのGDPや健康寿命、人生の自由度から産出する世界で最も幸福な国ランキングで一位に輝いています。

そんなノルウェー、実は近年まで貧しい国だったのです…
では、どのようにして「世界一幸福な国」となったのでしょうか。
本記事で徹底解説します!

作物が作れない…貧しかったノルウェー

ノルウェーはどうして貧しい国だったのでしょうか。それは国の「場所」に関係があったのです。

作物がつくれない理由

ノルウェーは南北に長く、世界で2番目に長い海岸線を有しています。自国の産業はその特徴を活かした水産業が活発で、特にサーモンの漁獲量が多いこと有名です。しかし、冬の寒さは特に厳しく、最南端でも北海道より経度が高いため、農耕には適していません。国土の約60%は植物が何も育たない不毛の地であり、作物を育てている土地面積は国土の約3%しかありません。こういった背景があり、水産業に頼らざるを得ない生活を送っていました。

統治下に置かれていたノルウェー

そんなノルウェーですが、長い間、他の国の統治下に置かれていました。その期間はおよそ1000年といわれています。その後も、第2次世界大戦中にドイツに5年間占領をされるなど、国の運営どころか、独立すらできない期間が続きました。

経済の発展へ。立て直しを図る転機とは!

そんなノルウェーに経済の立て直しを図る転機が訪れます。

工業発展のきっかけとなった「水力発電所」の建設

ノルウェーは19世紀にデンマークの影響下から独立し、経済の立て直しを始めました。
当時は各地で産業革命が起こっていたため、ノルウェーも流れに乗り、水力発電所を建設しました。この水力発電所の建設が工業発展のきっかけとなります。

通常は石炭・石油等のエネルギー資源を利用し、発電を行います。しかし、ノルウェーは豊富な水資源を利用することで、エネルギー資源なしで必要量の電力を発電することができました。そのため、コストの大部分を工業への投資に費やせたのです。こうして、ノルウェーは工業の成長を成し遂げました。

奇跡の油田発見!

伝統の水産業と水力発電所の建設により、経済成長を見せていたノルウェーに新たな転機が訪れます。
それは、イギリスとノルウェーの間にあった北海油田の発見です。この発見がノルウェーの経済成長に拍車をかけます。

石油は主に、発電等のエネルギーを作る際の資源として使用され、現在でも、各地で輸出入されています。
しかし、ノルウェーは水力発電という自然のエネルギー資源で発電ができる施設が機能していたため、石油を輸出に割くことができました。この輸出で得られる財源がノルウェーを豊かな国にしていきました。

資源の呪いを克服!資源に頼らない長期的な経済政策

油田の発見により、経済成長の兆しが見えたノルウェー。しかし、1つの資源に頼った経済成長は国を衰退させる呪いとなる可能性も秘めていたのです。

「資源の呪い」の仕組み

経済の衰退すら巻き起こす「資源の呪い」
発生には2つの要因があるのです。

①石油の独占競争

油田のような大きな利益を生む資源の発見をすると、独占競争が始まります。
そして、資源が一部の人間に独占されるとお金が流れていかず、結果、経済の発展には繋がらなかったということも多々あるのです。

②石油に頼り切った政策

石油だけに頼った輸出政策を行うと、他の産業を発展させずとも、お金を生み出すことができるため、国内経済は衰退してしまいます。例として、石油埋蔵量1位のベネズエラでは、石油の輸出に頼った政策を行った結果、物価の急上昇や多くの難民が生まれる事態になりました。このように、大きな利益を生む資源は国の停滞を引き起こす可能性があるのです。

衰退を免れた政策づくり

しかし、ノルウェーは「石油に頼らない経済促進」を目指し、「資源の呪い」を免れました。ノルウェーは民間企業がリスクを恐れずに油田開発ができるよう、税金を採掘事業に投入し、一部企業の独占を予防しました。また、外国企業に対しては、採掘で得た利益の一部を国に納める制度を作るなど、あくまでも「資源はノルウェー国民のもの」というスタンスのもと、政策づくりをしてきました。さらに、政府は採掘量の上限を設け、他の産業にも注力する仕組みを整えました。

採掘事業以外にも、将来に資源がなくなっても、国民の生活を維持するための制度である「政府年金基金グローバル」を創設しました。この制度、輸出で得た利益を積み立て金として貯蓄することで、国民の生活を守ることを目指しています。現在の貯蓄額は160兆円と膨大な額があり、この額を海外に分散投資しながら運用することで、国の長期的な経済成長を支えています。

まとめ

ノルウェーは自国の強みを活かし、豊かな国へと発展してきました。日本も自国の強みに目を向け、経済政策をシフトチェンジするのも選択肢だと考えます。ノルウェーと日本は共通点が沢山あると思いますので、政策を参考にしながら、独自の経済政策を行っていくことも1つの方法かもしれませんね。